シルマーテスト

シルマー
オペも無事おわり患者さんが途切れた夕方のこと、なにやら検査室から楽しそうな声が聞こえるのでいってみると・・・スタッフ達がみな眼からピョンと濾紙を生やして異様な光景でした。
シルマーテストというドライアイの検査ですが、まぶたに濾紙を挟んで5分間はかるという結構つらい検査です。
患者さんの身になって体験するというのはとても大切な事で、暇さえあればこんな事やりだす熱心なスタッフ達でありがたいです。

ドライアイを疑った場合にこのシルマーテスト(当院では第一法変法:点眼麻酔を併用した基礎分泌測定)のほか、診察時に涙液三角(TM:tear meniscus、まぶたの縁にたまっている涙液量)、涙液破壊時間(BUT:角膜表面の涙膜が蒸発して途切れ始める時間)等で涙の量と質をチェックし、また眼表面の染色で傷がないかをみます。
治療は人工涙液やヒアルロン酸点眼を用い、重症例には涙点プラグで涙の排水口を塞いだりしますが、最近このBUT短縮型に効くとされるジクアスという涙の粘液(ムチン)成分を改善する新しい点眼もでましたし、涙点プラグの発展形で、注入するタイプのコラーゲンプラグ(当院も採用してます)も登場し、治療の選択肢が増えました。
ただドライアイは結構患者さんの生活環境やライフスタイル、職業などにも影響され、単純なようで奥が深くて難しいなあと常々感じています。