SLT : 選択的レーザー線維柱帯形成術について


〜 緑内障の新しいレーザー治療法 〜

緑内障については
病気についてのページをご覧下さい。これまでの治療は、診断がつけば目標眼圧を設定の上で点眼を開始し眼圧下降が不十分であれば点眼の変更や追加を行い、それでも視野障害の進行が押さえられない場合には手術に踏み切るというのが一般的でした。近年、SLT: 選択的レーザー線維柱帯形成術という新しい治療法が登場し、このたび当院でも導入いたしましたので紹介します。

SLT全体画
線維柱帯というのは眼内で作られた水「房水」が排水溝へ抜けていく際に通過する網の目です。この網の目の流れを特殊なレーザーによって改善し、眼圧を下げる治療です。
古くから同様の方法としてALT(アルゴンレーザー線維柱帯形成術)という治療がありましたが、効果が一時的である事が多く、線維柱帯の組織を破壊してしまうという欠点がありました。SLTの最大の特徴はメラニンだけを標的とし、組織破壊を伴わないという点です。合併症のリスクも非常に少ないため施行しやすく、ALT同様眼圧が再上昇する場合もみられますが繰り返し治療を行う事も可能です。
電顕
(図はLUMENIS社パンフレットより)




緑内障治療の問題点の一つに点眼アドヒアランスというものがあります。点眼をどうしても守れない患者さんもやはりおられますし、点眼の種類が多い場合には日常生活にも支障を来します。「点眼で一日が終わる」と苦笑いされる患者さんもいらっしゃいますが笑い事では有りません。実際一昔前には4種類の点眼を5分間隔にさして一日に何回も!という方もおられ、手間暇のみならずその精神的負担を想像すると頭が下がりました。近年こういった事を軽減するため、作用時間を延ばして点眼回数を減らしたり、2種を混合してひとまとめにした配合剤なども登場してきましたが、依然として大きな問題になっています。
このレーザー手術が登場したことで、実際の観血手術に至るのを回避する&遅らせるということも勿論として、これら点眼を減らせる可能性があるという点でも大きな事だと思います。

治療の実際
  • 日帰り、点眼麻酔にて行います。
  • 時間は10分程度で痛みはほとんど有りません。
  • 手術となりますので各種生命保険が利用出来る場合が多いです。詳しくはご加入の保険会社に御確認下さい。
  • 病型によっては適応外となる事もあります。また治療効果には個人差があり反復治療が必要な場合が有ります。
  • 詳しくはお問い合わせ下さい。


ふなこし眼科ペインクリニック
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